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リアシートの恋人

リアシートの恋人

リアシートの恋人

著: 名倉和希
発行: オークラ出版
シリーズ: リアシートの恋人 レーベル: アクアノベルズ
ジャンル:ボーイズラブ小説>御曹司

幸哉は巨大総合商社の御曹司・深山修一郎の専属運転手。
そして、リアシートで繰り返される修一郎の“お相手”も務めている。
朝だろうと昼だろうと修一郎が望んだときに従う、そういう関係だ。
だが、修一郎を本気で好きな幸哉には、辛い関係だった。
修一郎にとって自分は都合のいい相手。
好きな時に性欲処理ができる、そんな相手――。
だから「最後まではしない」。
それが幸哉が修一郎に告げた、ただ一つのルール。
これ以上修一郎を好きになりすぎないために。


++目次++
リアシートの恋人
永遠の恋人

「いい加減にしておけよ、修一郎ッ」
幸哉の拳が、開け放たれたままだったドアをダーンと殴った。
修一郎が驚いて口を閉じる。
「これ以上、池田のことを悪く言ったら、いくらあんたでも許さないぞ。あいつは俺の大切な友人だ。ただの友人(・・・・・)なんだよっ!」
わざと強調して言ってやったが、修一郎はすぐには理解できなかったようで、首を傾げる。幸哉は苛々しながらも、わかりやすく、噛み砕いてくりかえした。
「池田はただの友人だ。恋人なんかじゃない。あいつと寝たことなんか一度もないし、やりたいと思ったこともない」
「………恋人じゃない…?」
「そうだ。嘘をついていたことについては謝る。俺が悪かった。でも本命の恋人がいると言っておくことは、あんたへの抑止力になっていた。俺には必要な嘘だったんだよ」
修一郎は呆然とした表情に、じわじわと理解の色を広げていく。その間が抜けた顔を、幸哉は睨みつけた。
「わかったか、馬鹿者。ついでに冷静になって、いま自分がなにを口走ったか思い出せ。よくもぺらぺらぺらぺら喋りほうだい喋ってくれたな、この唐変木(とうへんぼく)! 俺が今までどんなに苦労して秘密にしてきたと思っているんだ! 俺の気持ちを全然わかっていないのは、おまえのほうだ!」
四年間も。人に知られないように、平静を装って、耐えてきた。好きだったから。いまでも好きだから。
それを思うと、悔しさがこみ上がってくる。
ばれても、修一郎にとってはたいしたことではないだろう。幸哉を解雇すれば済むことだ。
だが幸哉はどうなる。ここを辞めて、どこへ行けばいい。修一郎のいない世界を、どう生きていけばいい?
自分より頭一つ分高い位置にある修一郎の顔を、幸哉はぎっと睨んだ。
修一郎は困った目をして、幸哉を見下ろしている。
「じゃあおまえは……」
呟きながら、修一郎は自分の頭に手をやり、髪をかきまわした。
「嘘をついてまで、俺を拒みたかったのか?」
幸哉のこめかみにピキッと青筋が浮く。
「拒んでいたのかどうかくらい、あんたはわからなかったのかよ!」
この男はこんなに愚かだったのか。
仕事は出来ても、人としての機微にまるで疎いのは、始末に悪いとしか言いようがない。
「修一郎、いまさら信じないかもしれないが、俺は男を相手にしたのは、あんたが初めてだったよ」
「え?」
とぼけた顔で驚く修一郎が憎らしくて、幸哉はぐっと拳を握りしめる。
殴ってやりたい。思いっきり殴って引きずり倒して噛みついて、そして……そして抱きしめて抱きしめてキスしたかった。
「俺は男を好きなわけじゃない」
幸哉は大きく息を吸い、細く吐いた。
「二丁目で男を誘ったこともない。その場限りの遊びのセックスなんて、考えただけで気持ち悪い。でもあんたは、俺をそういう種類のモラルのない男だと思い込んでいた。あんたは、俺にそういう男であることを望んだんだ。だから俺は、なりきろうと努力した」
演じながら、幸哉は心のどこかで、修一郎に気づいてほしいと思っていた。言わなくても、わかってほしかった。
「あんたが望むから、してやったんだ。あんたが俺のことなんかなんとも思っていないってわかってても、俺はあんたの望みは全部叶えてやりたかった」
それが本心。隠していた真実。
言ってしまえば、なんてことはない、恥ずかしいくらいのよくあるただの純愛だ。
「修一郎…」
愛しい男は、いつもの精悍さをジャケットといっしょにクローゼットに仕舞ってしまったらしい。鋭さのカケラもない無防備な顔を、ただ愕然と幸哉に向けるばかりだ。
「俺の本命は、修一郎……あんただよ」
幸哉は、諦めとともに力なく告白した。
修一郎は顔色をなくして、棒立ちのまま動かない。
厚めの唇は一度開きかけたが、すぐ閉じてしまい、なにも言ってはくれなかった。
絶望感がずしりと両肩に圧し掛かった。
なぜか霞む視界の中で、修一郎が幸哉を見ながら驚愕の表情を浮かべる。
霞みの原因が涙だと気がついたのは、頬を伝って生暖かい水滴がぽたぽたと廊下に落ちてからだった。
自覚のないままに、泣いていた。泣くつもりなんてなかったのに、情けない。
幸哉はチッと舌打ちして、腕で乱暴に頬を拭ったが、涙はつぎつぎと落ちてきて顔を濡らす。
四年だ。我慢しすぎて、とうとう壊れたか。
ただ修一郎の役に立てばいいと、それでそばにいられるならいいと、それだけを思ってきた四年間だった。
あっけない幕切れに、幸哉はなんだか馬鹿馬鹿しくなる。滑稽だった。自分だけがくるくる回っていたような感じだ。
自然と笑みが浮かんで、幸哉は笑った。
だが笑えば笑うほど、涙があふれて止まらない。
「幸哉、おい…」
修一郎が伸ばしてきた手を、幸哉は強く叩き落した。修一郎の手の甲に、ほの赤く指の跡がつくほどに。
「もう俺に触るな」
ぼろぼろになった自分を、これ以上傷つかないように、せめて守ってやりたかった。
「こんなところで、こんなカタチですべてをぶちまけるつもりはなかったんだ…。成り行きであんたに言うことになるなんて…」
でも、口から零れてしまった言葉は、もう取り戻せない。
「悪かったな。驚かせて。全部忘れてくれていいから」

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