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貴公子は淫らに愛を奏でる

貴公子は淫らに愛を奏でる

貴公子は淫らに愛を奏でる

著: 篠原まこと
発行: オークラ出版
レーベル: アクア文庫
ジャンル:ボーイズラブ小説>業界人

音楽誌の編集、一宮耕平は、『チェロ界の貴公子』と呼ばれる椎名征吾に取材することとなった。
椎名は、完璧なまでに美しい顔立ち、聴く者の心を惑わせてやまない音楽の才能をもつ、神様に愛された特別な人間。
だが、その椎名に会った耕平はひどく驚く。
なぜなら椎名は、中3の時に突然失踪した同級生、久世征吾だったのだ。
やがて始まった密着取材中、椎名を怒らせてしまった耕平は、スタジオで無理やり抱かれてしまう。
次第に耕平は、甘美な誘惑に犯されていき……。


「あ、終ったみたいですね。……コーヒー、冷めちゃいましたね」
「大丈夫だよ。椎名は猫舌だから」
松岡はそう笑うと、席を立つ。それから小声で、耕平に言った。
「そういうわけだから、もし取材中に怪しい人物を見かけたら、君にも注意してほしいんだ。……椎名はちっとも、危機感を持ってないみたいだから」
耕平が頷くと同時に、リビングに来た椎名は、いきなりこう言った。
「松岡、弓は?」
「そこのテーブルの上だよ。コーヒー入ってるから、どうぞ」
椎名は頷くと、さっさとケースを手にとり、弓の感触を確かめている。
「どう?」
「……問題ない。助かった」
椎名はそう答えると、また弓をケースに戻した。
「どういたしまして」
演奏会でも思ったが、楽器を弾くという行為は、傍目で見るよりもはるかに体力を消耗することらしい。
椎名はコーヒーに砂糖を多めに入れると、一気にそれを飲み干した。
汗で髪が肌にはりついているのが、なんだかひどく艶(なま)めかしく、耕平は思わず目を伏せた。
「ああ、先生が一度連絡入れてくれって。演奏会に行けないのが申し訳ないって言ってたよ」
「別に来ようが来まいが音は変わらねぇけどな」
「まぁ、そりゃそうだけど」
椎名の毒舌に、松岡は慣れた様子で笑っている。
松岡は、耕平にも椎名は気を許しているというが、そのやりとりを見ていると、やはり自分よりはるかに松岡のほうが、椎名との絆は強いように耕平には見えた。
それから松岡は椎名と、二、三次の演奏会についての話をし、帰って行った。
「……どうした、妙な顔して」
再びスタジオに戻った椎名は、先ほどから黙り込んでいる耕平に、そう声をかけた。
「……脅迫状って、本当のこと?」
「松岡が喋ったのか? ……くだらねぇことを……」
舌打ちする椎名に、つい耕平は言い返す。
「くだらなくないよ。松岡さん、君のこと心配してたよ。……大事な友達なんだから」
「お前は? 心配なのか?」
あのイタズラっぽい目でそう問いかけられ、耕平は微かに頬を赤らめながら、答えた。
「……そりゃ、心配だよ。元同級生なんだし」
目をそらすと、いきなり椎名は耕平の頬に手を添えた。
先ほどまで激しく演奏していた左手は、火傷しそうに熱を帯びている。
その熱さが、耕平の頭の芯まで溶かすようで、耕平は眩暈(めまい)を覚えた。
「今はただの取材なんじゃねぇの? だったら、どうでもいいだろ、そんなこと」
「そう……だけど、でも」
「それとも、やっぱり俺のこと知りたいのか?」
耳元で囁かれる甘いバリトンに、耕平の息が乱れる。
耕平は、葛藤していた。
プライベートにまでは踏み込みたくない、そこまで、椎名に近づきたくない気持ちも、本音だ。
だが、側にいればどうしても、この自分勝手な貴公子のことを、もっともっと知りたくなる。
危険があるというのならば、気になってしまう。
顔をあげた耕平は、自分の反応を楽しんでいるかのように笑っている椎名の表情に、唇を噛むと彼の身体を突き飛ばすようにして、ソファから立ち上がった。
「ひ、人をオモチャにするの、やめろよ……っ」
こんなにドキドキしているのは自分だけなのだ。椎名はいつも、自分を上から見下ろしている。
それは仕方ないとわかっている。
(わかってるけど……でも、やっぱり、……)
「俺……久世にもう一度会えて、嬉しかったよ」
ポツリと耕平は、そう呟いた。
「今は椎名だ。その名前で呼ぶなよ」
「……そうだね。もう、昔と同じわけじゃないんだしね」
俯いてそう言った耕平に、椎名の細い眉がぴくりと動く。
「いや、同じなのかな。……昔から、俺、君に憧れてた。なにもかもに恵まれた君が、妬ましくて、羨ましかった。でも今は、それ以上かもしれない」
「…………」
情けない思いで、耕平はそう告げる。
こんなことを今ここで言うべきではないとわかっているのに、一度溢れ出した感情は、止めることができなかった。
「俺はこうやって、君にお情けかけてもらわなきゃ、仕事もできない三流編集者でさ。それに比べてお前は、こうやって立派な家もあって、心配してくれる友達もいて、おまけに誰にも有無をいわさぬ程の才能があってさ……!」
「……それは、俺のせいかよ」
椎名は甘い声と、容赦のない言葉で、耕平を引き裂く。
耕平の視界が、涙でぼやけはじめていた。
「わかってるよ! それが君のせいじゃないってことくらい! ……君と俺じゃ、全然違う人間なんだってことくらい!」

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